伝統的な久留米絣の現代的な考え方。

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 久留米絣が反物として出来上がるまでには、じつに30工程もの段階があるのだそうです。なかでも重要な工程とされている3つのことをご紹介させていただきます。

 

[1] 糸を束ねて、藍色に染まってほしくない部分を「あらそう」という糸で括ります。このときのちょうど良い力加減や技は、熟練の職人のみが知るところです。

 

[2] その後、下処理を終えた糸をいよいよ藍で染めます。織元さんの家の地中には「藍がめ」という大きなカメがたくさん埋まっていて、その中に「藍汁」を飼っています。染めるのは藍汁の機嫌の良い日でなければいけません。

 そこに糸を30回くらい、浸けたり叩いたりを繰り返しながら染めていき、仕上げに染めを止める処理をします。

 

[3] 糸の張り具合などに注意しながら、織機に糸をセットしていきます。柄のつじつまが合うように気をつけながら、愛情をもってカタンコトンと丁寧に織り上げます。

 

 これは200年受け継がれている久留米絣の技です。現在では機械を使っての作業がほとんどのようですよ。

『絣(かすり)』や『久留米絣』と聞くと、「地味で暗い」、あるいは「田舎のおばあちゃん」といったものをイメージされるかたが大半かもしれません。


儀右ヱ門の文庫本カバー
 でも、じつは久留米絣の柄はさまざま。とくに近年では、キレイな色合いのものやダイナミックな柄の絣もたくさん織られているんですよ。
手織りのもの

 もちろん昔ながらの久留米絣の伝統柄は今でも織られています。また、そのなかでも藍染(手染め)で手ぐくり、手織りのものは“重要無形文化財”に指定されていて、こちらも少量ながらつくられています。

 

 久留米絣の魂や伝統は大切に受け継がれ、守られながら、前向きに進化し続けているのですね。